![アスベスト除去の費用相場はどのくらい?解体費用も解説!](https://asbestos-okinawa.info/wp-content/uploads/shutterstock_1915690027-min.jpg)
建物を解体する場合、アスベストの事前調査が義務付けられており、アスベストが含まれていた場合はアスベストの除去をしてから工事をしなければなりません。そのため、建物の解体費用とは別にアスベスト除去費用も予算に入れておく必要があります。そこで今回は、アスベスト除去にかかる費用相場や、建物の解体費用について解説します。
アスベスト除去の基本知識
そもそもアスベストとは、断熱性などに優れた繊維状の物質(鉱物)で、1955年頃から建材としてさまざまな用途で使用されていました。しかし、アスベストは空気中に飛散しやすく、吸い込むと肺に入り込んでしまい、肺がんなどの重篤な病気に罹患するおそれがあることがわかりました。
さらに、アスベストによる健康被害で死亡例が多数でたことから、1975年に規制がはじまり2006年にはアスベストの製造や使用が禁止となりました。現在では、大気汚染防止法により建築物を解体・改修工事する際に、すべての建物においてアスベストの事前調査をすることが義務付けられています。
また、対象となる場合は調査結果を労働基準監督署および都道府県(地方自治体)に報告することも義務となっているのです。事前調査でアスベストの含有が判明した場合は、アスベストの除去が必要になります。
特に、1955年から1975年までに建てられた建物では、アスベストを使用している可能性が非常に高いため、注意が必要です。アスベストの調査や除去をおこなうためには、専門の資格が必要で、特に除去の工事はアスベストの暴露の危険性もあるため、費用は高額です。
アスベスト除去工事は、アスベストの「発じん性」によって3つのレベルに分類され、それぞれ除去の方法や費用が異なります。発じん性が非常に高いレベル1は、アスベストを含有する吹き付け材が使われている場合に分類されます。
この場合、除去工法・封じ込め工法・囲い込み工法などで除去をおこないます。次に、発じん性が高いレベル2は、建材にアスベストを含有する断熱材や保温材などが使われている場合に分類され、レベル1と同様に慎重に作業しなければなりません。
次に、発じん性が比較的低いレベル3は、アスベストを含有する硬く割れにくい建材が使われている場合に分類されます。タイルや外壁材などが例として挙げられ、飛散のリスクが低いため、手作業で除去をおこなう場合もあります。
アスベスト調査で建物にアスベストの含有が判明した場合、解体工事をする前にアスベストの除去が必要になるため、工期がのびてしまいます。スムーズに工事を進めていくためには、一貫して対応が可能な会社に依頼をすることも検討してみましょう。
除去や解体の費用相場
前述したように、アスベストの除去工事は3つのレベルに分けられ、レベルや処理面積によって費用も異なります。レベル1の場合の費用相場は、約1.5~8万円/㎡。レベル2の場合は、約1~5万円/㎡。レベル3の場合は、約0.3万円/㎡となっています。
レベル1で処理面積が100㎡の場合、少なくとも150万円以上の費用がかかることになります。レベル3の場合でも、30坪程度の住宅の屋根では10万円以上、外壁では20万円以上の費用が目安としてかかるでしょう。
アスベストの除去が必要になった場合、費用負担はおおきくなってしまいますが、アスベストの調査や除去に関して、地方自治体で補助金が用意されています。補助の内容は自治体によって異なるため確認が必要ですが、補助金を忘れずに申請して、費用負担を補いましょう。
解体工事の費用相場は、木造の建物で約3~4万円/坪、鉄骨造の建物で約4~6万円/坪、RC造の建物で約5~8万円/坪となっています。たとえば、30坪の木造住宅だと、少なくとも90万円以上がかかる計算になります。
また、解体工事の費用に加えて、ブロック塀や庭木を撤去する場合は、別途費用が必要になります。解体する建物の中に残置物がある場合や、地中に埋設物が見つかった場合も撤去費用が必要になるので覚えておきましょう。
解体工事とアスベスト除去は組み合わせられる?
アスベストを含む建物の解体工事は、事前調査後必要書類を提出し、近隣への挨拶や解体準備をおこなった後にアスベストの除去をおこない建物の解体をする流れになります。
アスベストの除去と解体工事を同じ業者に依頼すればスムーズに工事ができますが、アスベスト除去工事は危険度が高いため、除去工事をおこなうためには「石綿作業主任者」という資格が必要です。
そのためすべての解体業社で、アスベスト除去と解体工事を組み合わせて対応できるわけではありません。また、同じ会社に一貫して依頼する場合と、別の会社にそれぞれ分けて依頼する場合、どちらが安いかは見積もりをとってみないとわかりません。
建築年数からアスベストが含有している可能性が高い場合には、除去工事が必要になることを見越した会社選び、見積もり依頼が必要になるでしょう。
まとめ
アスベストによる健康被害は命に関わることから、アスベストの事前調査や除去工事は、経験豊富で信頼できる会社に依頼することが大切です。危険度の高いアスベストの除去工事は費用が高額になるので、建物を解体・改修する場合は、あらかじめ予算をとっておくとよいでしょう。また、スムーズに工事を進めるためにも、アスベストの除去工事をしなければならない場合を考えて、複数社に見積もりをとり、会社選びをするようにしましょう。